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調整のために、テスターを、AVCの電圧計測、OSC発信器の周波数計測にカウンター。
本サイトのカウンターですので、受信周波数がそのまま表示されます。

mT管6球スーパー(高1付き)の調整

まずは、普通、ネットや本に出ている方法で、
下の周波数をパディングコンで合わせ
高い周波数を、バリコンのトリマで合わせる。

この方法は、メーカー製で、コンデンサの容量がほぼ正しい場合、設計がきちんとしている場合なら、これでうまく行きます。
ところが、ある程度年数がたち、今回のように、ほとんど改造されている状態のラジオでは通用しません。

我が家に来た時点では、VFOの可変範囲が受信周波数換算で、480kHz〜1700kHz程度。
パディングコンデンサではなく、固定コンデンサ(380pF)と、50pFのトリマに組み合わせ。
これで、480から410pF程度を作りたかったような設計になっていたと思われます。

以下、便宜上、感度をAVC電圧で書きます。数字が大きいほど、感度がよくなると思ってください。

実際これで受信すると、全体的に2V以下。特に、周波数の低いところでは感度が良くない。
それでも、通常のmT管ラジオ並みではあります。
しかし、高1ラジオなら、我が家の環境では、少なくとも3.5Vぐらいにはなってほしいところです。

で、先の方法で合わせると、低い周波数では1.5V程度に、高い方では、5Vを超える。
そこで、上下それぞれ、同調側のトリマを回してみた。
現状
高い方:容量を少なくする方で感度が上がる。
低い方:思いっきり容量を増やし、絞めつけても足りないが、増やせば感度が上がる。

このことから、このラジオ、VFOが、バリコンの容量変化に対して、早く変化している。
よって、まだVC容量が十分下がる前に、高い周波数に達し、逆に容量が不足している状態でも、受信周波数が下がっている。
と、言う事が、この実験から判明。
見た目で言えば、チューニングの回転が少ない状態で、周波数は変わってしまう。
目盛りで言えば、本来、540から1600で、540から1600Khzを受信すべきなのに、見た目、540〜1500ぐらいで540から1600Khzの受信をしている。
そのため、高いところでトリマーを合わせると、下では不足してしまう。

ではどうするか。

低い周波数には、バリコン容量がしっかり入らないと、入らないようにする。
高い周波数は、トリマ容量で調整可能なレベルに合わせる。

これは、周波数可変量を減らすといいので、パディングコンデンサの容量を減らせばいいことがわかります。
パディングコンデンサは、もともと、バリコンの容量変化を少なくするのが目的で入っているので、パディングコンデンサの調整で行けるはず。
しかし、現実は、トリマーを最少にしても合わない。
そこで、コンデンサとトリマで出来ているコンデンサを外して、容量を計測すると、固定コンデンサだけでも425pFもある。
トリマと合わせて、偶然かどうか、445pFになっていた。
この容量と、発振周波数から逆残すると、コイルの容量は、120〜130uHぐらいと推測できます。

そこで、EXCELでシュミレーションプログラムを組んで、適切なパディングコン容量を計算してみた。
その結果、365pFあたりが丁度よさそうに見える。実際には、多少周波数が高いのと、コイルの容量がアバウトなので、誤差はある。
ただ、このようにパディングコンを少ない容量にすると、612KHzを聞くためのバリコン容量をシュミレーション上で比較すると、
現状では、243pFですが、パディングコンを減らすと、286pFと、43pFほど大きくなります。
最初の症状を見てもらうとお分かりかと思いますが、下の方は容量不足、高いほうは多すぎる。
これで、この問題が解消できます。
よって、対処方法は、トリマにパラで入っていた、380pFのコンデンサが425pFにもなっていたので、これを330pFに交換して調整です。

無事、上下ともさほどずれないで感度が維持できる状態にできました。

我が家に環境では、アンテナは不要ですが、50センチと程度のアンテナをつけると、実用的だと思います。


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